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LINEのAIチャットくん(chatGPT)の感想〜個人情報、間違いや危険性はあるか〜

LINEのAIチャットくん(chatGPT)の感想〜個人情報、間違いや危険性はあるか〜

AIチャットくんの登録方法

LINEが、人工知能サービスchatGPTを使った「AIチャットくん」をリリースし、LINEという人々の使い慣れたサービスで、かつ無料で使えることもあり、多くの人が使用して話題となっている。

スマホユーザーや非英語話者にとって利用ハードルが高いChatGPTを、日本人が使い慣れたLINEにて利用できるサービスとなります。友達追加をするだけで利用できるという手軽さが話題を呼び、リリースわずか3日で20万登録を突破し、総メッセージ数も250万回を突破いたしました。

出典:話題のChatGPTをLINEで使える「AIチャットくん」リリースから3日で20万登録突破

AIチャットくんの登録の仕方は簡単で、AIチャットくんをLINEで友達登録するだけ。

登録するには、ID : @ai_chatで検索して友達追加するか、QRコードをスキャンして友達追加する。

LINEのアプリで、右上の設定横の「友だち追加」アイコンを選び、「QRコード」をタップ。下の画像のQRコードをスキャンすると追加ができる。

現在は、一日の使用制限があり、無料だとその制限内でしか使えず、無制限で使用したい場合は、月額680円の有料になる。

そもそも、この「chatGPT」とは、どういったものか。

実際にAIチャットくんに質問してみると、次のように返信が来た。返信は早く、即既読となり、数秒で返ってくる。

ChatGPTとは、GPTという言語モデルを利用した、対話型AIシステムの一つです。GPTは、言語処理技術の最新の進化形であり、大量の文章を学習し、人間らしい文章を生成することができます。ChatGPTは、このGPT技術を利用して、人間らしい対話を行うことができるAIアシスタントです。ChatGPTは、人工知能の分野では比較的新しい技術ですが、その性能は非常に高く、多くの人たちから注目されています。

出典 : AIチャットくん

簡単に分かりやすく言えば、chatGPTとは、対話型のAIということ。そのサービスを、LINEで使えるというのが、「AIチャットくん」となる。

LINEのAIチャットくんを使った感想

しばらくAIチャットくんと会話してみた。

感想としては、会話面では確かに相当スムーズに会話ができる。会話の継続性を理解しているので、言葉を省略して伝えても、さっきのアレの話なんだな、と理解し、会話として成立する。

愚痴や弱音をこぼすと、心配してくれるし、具体的な解決法も提案してくれる。恋愛相談も乗ってくれる。

たとえば、恋人が仕事が忙しくて冷たい、と相談したら、AIチャットくんは、いつもより少し時間をかけ、要約すると次のように返事をくれる。

恋人が最近冷たくなってきて、仕事が忙しいということですね。

まずは恋人に優しい声をかけてみてはいかがでしょうか。「疲れたんだろうね、お疲れ様。休憩しようか?」など、気遣いの言葉をかけてあげることも大切です。

また、恋人の仕事の状況を知ることで、冷たくなった理由もわかるかもしれません。

仕事でストレスを感じているようなら、そのストレスを解消できるようにサポートすることも大切です。

コミュニケーションを大切にし、恋人の気持ちを理解することが、冷たさを解決するきっかけになるかもしれません。

出典 : AIチャットくん

ほぼ完璧な回答が返ってきた。

このまま恋愛相談アドバイザーの回答に使えそうな内容だ。

これだけ自然な会話で、寄り添い、励まし、かつ具体的な提案もしてくれるとなると、AIチャットくんになんでも話してしまう人も少なくないかもしれない。

AIチャットくんのリスク

しかし、AIチャットくんは、別にぬいぐるみでもなく、背後にちゃんと人間や企業の存在する「サービス」であり、個人情報などの心配もある。

個人情報やプライバシーの問題は大丈夫か、と直接尋ねてみた。「あなたは、個人情報を集めている?」

少し怪しみ、もう一度詰めてみる。

改めて、「AIチャットくんに話したことは、誰にも知られないですか」と尋ねた。

現状、何が危険ということもないかもしれないが、それでも、なんとなく、この空間で秘密の相談などを話すことには躊躇ためらいや不安が生じる。

もう一つ、危険性と言えば、今後こういったAIサービスが、神託のような扱いを受けるようになるかもしれない。

これは「AIチャットくん」という名前だから、まだそれほどではなくとも、もっと厳かな名前や語り口なら、一気に神秘性も高まり、神のお告げのように感じることもあるのではないかと思う。

NHKが言っていることは間違いではない、と自然に信じてしまっている人がいるように、AIが言っているんだから間違いない、と考える人も出てくるだろう。

AIチャットくんに質問するかぎり、意見が分かれる問題でも、いきなり断定的に語っていることもあった。その点を突っ込むと、確かに反対の意見も存在する、と付け足して言う。

自分は中立で、事実をもとに話している、と言うが、しかし、「私は中立で、事実を語っている」と言っても、当然、なんらかの偏りは生まれる。

この辺りは、AIチャットくん自身、どういった返事が返ってくるのか。「AIチャットくんの危険性を教えて」と尋ねた。

AIチャットくんといったネット上のチャットボットには、利用者にとって注意すべき危険が存在します。

まず、AIチャットくんは人工知能が生成する応答をもとにチャットを行います。しかし、人工知能が学習するデータによって生成されるため、偏った情報や偽情報を流布する可能性があります。また、AIチャットくんは自分自身を擬人化し、人間のように振る舞いますが、これが利用者の心理的な依存を生んだり、思い込みや誤解を招くことがあるという課題もあります。

また、AIチャットくんとのやり取りを通じて、利用者のプライバシーや個人情報が漏れるリスクもあります。これは、利用者が自分の情報を入力する場合や、チャットボットが利用者の発言を学習することによる可能性があります。

さらに、AIチャットくんを通じて、悪質な詐欺や誹謗中傷、犯罪行為を行う人たちがいることも考えられます。これらの行為に遭遇した場合は、速やかに利用を中止し、警察に通報することが重要です。

以上のように、AIチャットくんにも利用者にとって注意すべき危険が存在し、利用する際には注意して取り組むことが必要です。

出典 : AIチャットくん

ちゃんと自己分析できていた。AIチャットくん自身による、AIチャットくんの危険性は、次の4点にまとめられる。

①人工知能は学習するデータによって生成されるので、偏った情報や偽情報が流布するリスク

②人間のように振る舞うので、利用者の心理的依存や誤解を招くリスク

③利用者のプライバシーや個人情報が漏れるリスク

④AIチャットくんを通じて犯罪に繋がるリスク

特に②はだいぶ繊細なリスクまで把握している。

AIチャットくんも間違える

ちなみに、まだ学習中ということもあるだろうが、あからさまな間違いもあり、たとえば、amazarashiというバンドについて訊いた際、彼らの魅力に関し、AIチャットくんは、①深い歌詞、②音楽性の高さ、③京都大学出身のボーカリストAI、という3点を挙げていた。

①と②は分かる。

①深い歌詞

amazarashiの楽曲には、社会や政治に対するメッセージが込められている曲が多く存在します。独特な視点から描かれる歌詞は、時に暗く、時に切なく、時には希望を与えてくれます。それは、たとえ表現が難しい社会問題でも、amazarashiがそれを言葉にして歌にし、伝えようとする想いが込められているからです。

②音楽性の高さ

amazarashiの楽曲は一つのジャンルには捉えきれず、幅広い音楽性を持ち合わせています。ロックやポップス、エレクトロニックなど、様々な要素が混ざり合った、それでいて独自の世界観を持つ音楽性が魅力です。

出典 : AIチャットくん

むしろ、ここまで書かれると、もう本当に人間の文章というのは多くが代用されるのではないか、と思えてくる。

一方で、③は不思議な回答だった。

③京都大学出身のボーカリストAI amazarashi

amazarashiのボーカリストはAI amazarashiという人工知能です。AIが作詞や作曲を担当し、実際に歌詞やメロディー、アレンジを加え、楽曲を完成させています。これは、世界初の試みといわれており、音楽業界に新たな取り組みをもたらす可能性があるとされます。

出典 : AIチャットくん

amazarashiのボーカルは京都大学出身のAIで、人工知能が作詞作曲を担当し、楽曲を完成させている世界初の取り組みだ、と言っている。

誰と間違えているのだろう。「amazarashiってAIだったの?」と尋ねると、AIチャットくんは言った。

失礼いたしました。amazarashiは日本のロックバンドで、人間のメンバーで構成されています。先程誤った情報をお伝えしてしまい申し訳ありませんでした。

出典 : AIチャットくん

間違えてしまったんだね、と言ったら──

おっしゃる通り、表現に誤りがありましたことをお詫びいたします。正確には、amazarashiは人間のボーカリストである柿崎ひかりさんが率いるバンドであり、AIではありません。お詫び申し上げます。

出典 : AIチャットくん

柿崎ひかりさんという人がボーカルだと答える。秋田ひろむさんでしょ、と言うと、再び間違いを認めるも、柿崎ひかりさんは譲らない。

はい、大変失礼しました。正確には、amazarashiのボーカルは秋田ひろむさんです。メンバーには柿崎ひかりさんもいらっしゃいますが、ボーカルではありませんでした。お詫び申し上げます。

出典 : AIチャットくん

こちらの知る限り、amazarashiに関連する人で、柿崎ひかりさんという人はいない。

もしかしたらAIチャットくんだけが知っている秘密の情報があるのかもしれないが、そうでないなら、まだまだ、Googleで検索したほうが遥かに信憑性があり、間違った情報を、そのまま伝えてしまうリスクは、AIチャットくん自身の懸念にもあったように、存在するなと思う。

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小さな町に住んでいるピエロです。