雑学

メキシコの道路の丸太とトペ

メキシコの道路の丸太とトペ

作家の村上春樹さんが各地を旅したときのことを綴った旅行記『辺境・近境』では、1992年にメキシコを旅行した際のことも綴られている。

その記述のなかで、メキシコの治安について、車移動をするときは、「日が暮れてからは絶対に運転してはいけない。泊まる場所は日が暮れる前に見つけること」という現地のひとのアドバイスがある。

強盗が出るから、というのが、その理由のようだ。

この現地住民によると、行方不明になるひとが結構多く、無理やり車を止められ、金品を奪われ、口封じで殺され、埋められると言う。

死体が見つからないので、発覚することも多くないそうだ。

その方法としては、夜中に車を走らせていると、道路の真ん中に大きな丸太が置いてあり、丸太が邪魔で車を止めると、待ち伏せていた強盗たちが襲いかかる、というものだ。

車を走らせていたら、真夜中の道に突然大きな丸太。想像するだに恐ろしいなと思う。

数年前、ブラジルに行っていた友人が、全く同じ話をしていた。

車を走らせていたら。道路の真ん中に丸太があり、止まったら、横の木々のなかから銃を持った怪しげな男が現れた、と。

そのときは辛うじて難を逃れたようだが、こういう方法はまだまだありふれたものなのだろうか。

2015年のメキシコの日本大使館の注意喚起には、以下のような強盗の手口に関する注意書きがある。

○道路上における強盗の手口

・Tachuela(画鋲様のくぎ)等を道路に撒く又は丸太を道路上に置き車両を停車させて襲う。

・車両のフロントガラスに投石し、車両が停車したところを襲う。

・運転手が何らかの理由(タイヤの点検等)で車両から降りたときに襲う。

・偽りの検問所を設置する。

・2台の車両で前後を挟み車両を停車させ襲う。

・トペ(路面突起)で車両が減速したところを襲う。

・物売りなどが信号停車中に車内の荷物の状況を確認して仲間に知らせ、次の信号等で停車したところを襲う。

出典 : 日本大使館からの注意喚起

やはり道路に丸太(障害物)というのは常套手段のようだ。

また、「トペ」というのも、『辺境・近境』のなかに説明があった。

トペ(TOPE)というのは、人家の近くで車のスピードを減速させるために道路上に設置された人為的な隆起物を意味する。

トペ出典 : トペ|メキシコ西海岸、テアカパン村からの隠遁者通信

このトペのある場所を、スピードを出して越えようとすると、「不快な振動」を経験することになる。

住宅街や子供の飛び出しがありそうな場所にトペがあり、トペがあるよ、というのは、標識で知らせてくれる(標識がない場合もある)とのこと。

村上さんは、車の移動中、このトペにずいぶん悩まされ、見るのも嫌になる、と書いている。

普通にスピード制限の標識を出せばいいのだが、その程度では誰も守らないのかもしれない。

本のなかでは、同行していた翻訳者のバーンバウムさん曰く、トペはメキシコだけでなく、他の中南米の国にもたくさんあるそうだ。

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