無印良品

海外の無印良品のポスター【スイス】

海外の無印良品のポスター【スイス】

無印良品は、日本だけでなく海外でも人気で、もともとアジアでの業績はよいと言われている。

一方、アメリカやヨーロッパでは、徐々に浸透してきているとは言え、まだまだこれからという状況のようだ。

たとえば、スイスでは、2019年に、経済と文化の中心地であるチューリッヒに無印良品(MUJI)の第一号店がオープンした。

スイスの無印良品は、売り場面積が欧州最大級の922.3m2で、場所は地元で長く親しまれてきたGlattショッピングセンター内。

品揃えも、ヨーロッパ最大級だと言う。

商品や店内の雰囲気は、写真(無印良品の公式サイトより)を見る限り、日本の無印良品と同じようなテイストに見える。

さすがスイスの経済都市の店舗なので、店内も相当洗練されている。

ただ、ちょっと気になったのは、「バターチキンカレー」トートバック。謎のセンスだ。日本では非売品のはず(置いてあったらだいぶ目立つと思う)。

海外のひとが漢字を格好いいと思うのは分かる気もするが、カタカナもおしゃれな文字として感じ取るのだろうか。

無印良品「バケツ フタ付」というトートバッグもあるようだ(無印良品の公式サイトより)

どうせなら、ひらがなで和歌の印字がされているバッグのほうが素敵じゃないかな、と思う。

もう一つ、面白いなと思ったのが、無印良品の海外版のポスター。

下の画像で、サウナ文化と組み合わせているのがフィンランドのビジュアル広告。雄大な山麓と組み合わせているのがスイスのビジュアル広告だ。

スイス 無印良品フィンランドとスイスのビジュアル広告(原デザイン研究所より)

両方とも、日本の無印良品のポスターと比較すると、ちょっと違和感がある。

ただ、この辺りに、無印の繊細で巧みなブランディング力が発揮されていると僕は思う。

このポスターには、自社の商品の主張だけでなく、各国の文化や暮らしを受け容れる、というメッセージが込められていると言う。

空っぽのうつわ、というのが、担当するデザイナーの原研哉氏の哲学にはあり、無印良品はまさに、そのうつわを体現しているブランドと言える。

それでは、日本の無印良品のビジュアルイメージは、どんなものが多いだろうか。

決して「和」の雰囲気が全面に出ているとは言えないものばかりで、むしろ異国情緒溢れる写真も多く使われている。

動画 : 無印良品:「自然、当然、無印。」

店内を流れるBGMも、尺八や太鼓が響くような「和」の音楽ではなく、北欧やケルトの民族音楽のような曲が流れる。

しかし、ビジュアルも音楽もどこか遠い世界が演出されているのに、無印良品は不思議と「日本的」なブランドというイメージを想起させる。

なぜだろう。

たぶん、一つはすでに日本が西洋化している部分も多いこと、もう一つは、表現しているものが、「和」ではなく、「空」だからなのだと思う。

あまりに濃厚に和風を推し出すと、濃縮されすぎて息苦しくなる。

今の日本人にとって、それは作為的に映り、「自然」でもなければ「空っぽ」でもなくなる。

ここではないどこかでありながら、なぜか懐かしい、という絶妙な「空白」をデザインするバランスに、無印良品は長けているのではないだろうか。

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Ruri
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桜のきれいな町に住んでいるのんびりしたいピエロです。映画と読書、その他、色々と好きです。