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オッドタクシーのラストの解説、続編はあるか

オッドタクシーのラストの解説、続編はあるか

*この記事はネタバレを含みます。

話題になったアニメにテレ東の『オッドタクシー』がある。僕も遅ればせながら、Amazonのプライムビデオで全話を観た。

色々な伏線があり、細かなやりとりや設定も面白く、すっと世界に引き込まれ、あっという間に全話を観終わった。

動画 : TVアニメ「オッドタクシー」PV第3弾

ところで、Amazonのプライムビデオで観ると、『オッドタクシー』が「シーズン1」とあるが、続編として「シーズン2」もあるのだろうか。

実際、ツイッター上でも、続編はあるのか、シーズン2があったら観たい、という声もときおり見かける。

僕も、最初に観終わったときは、ラストシーンが「これから」のもう一波乱を匂わせるような雰囲気で終わり、続編があるのかな、と思った。

果たして、『オッドタクシー』に続編はあるのだろうか。

ネットを調べてみるかぎり、現在、公式のアナウンスとして、『オッドタクシー』の続編があるという発表はなかった。

また、改めて考えてみると、個人的にも、この作品に続編はないんじゃないかな、という考えに至った。

以下、ラストシーンの解説を交えながら、その理由を紹介したいと思う。

理由

まず、伏線回収の一つとして、『オッドタクシー』の公式YouTubeチャンネルで、「幸せのボールペン」に関するオーディオドラマが公開されている。

幸せのボールペンとは、居酒屋「やまびこ」のタエ子が、小戸川の本音を聞きたかったことと事件物のノンフィクションを書きたかったという動機で仕掛けた「ペン型盗聴器」(ただし、オーディオドラマの最後に、電話でそのことを小戸川に伝えているので、隠し通したかったわけでもないようだ)のことで、本編をよく探すとときどき登場している

てっぺんが赤いハートの形のペンで、肌身離さず持ち、他人に渡すと幸せになれる、という触れ込みで、次々に人の手に渡っていく。

このペンが最初に登場するのは第1話の居酒屋「やまびこ」のタエ子の後ろの戸棚である。

その後、剛力から小戸川に渡り、山本、市村、二階堂と、どんどん持ち主を変えながら色々な裏の声を拾っていく。

画像 : オッドタクシー 特別編 幸せのボールペンを探せ!

オーディオドラマでは、その盗聴内容を、お笑いコンビのホモサピエンスのファンであり、キリン姿の長嶋聡が傍受し、配信する(タエ子は傍受することができなかった)という内容になっている。

このオーディオドラマを聞くと、『オッドタクシー』の最後は、しっかり結末として完成していることがいっそうよく分かる。

オーディオドラマ内では、ラストで、この幸せのボールペンが手元に戻ってきたタエ子が襲われ、次に、渋谷駅新南口の自動販売機の下からペンを持ち帰った長嶋聡もターゲット(殺害予告?)にされる。

「次はお前だよ、これ聞いてるやつ。渋谷駅新南口でボールペン持っていった、お前だよ。」

なぜ、犯人は、この盗聴ペンの存在がわかったのか。

オーディオドラマの盗聴内容によれば、長嶋の一つ前にペンを手にした和田垣さくら(真犯人で、三矢ユキに扮していた)は、母から、盗聴された内容がネットで配信されている、という報告を受けている。

動画 : 【オッドタクシー​​​​​】オーディオドラマ第11.10話「The cat is out of the bag.」

この回のタイトル「The cat is out of the bag」とは、「秘密が漏れた」ということを意味する言葉で、猫を袋に入れて「豚だ」と言って売ろうとしたが、猫がとび出てきた、という故事に由来する。

要するに、このタイミングで和田垣さくらは盗聴に気づき、その盗聴内容に、自分が三矢ユキを殺した真犯人であるという秘密が示唆されていることから、その内容を聞いたのは誰かを突き止め、口封じに殺そうと考え、幸せのボールペンにGPSを仕掛けたのではないだろうか。

そのペンを、和田垣さくらは、わざと渋谷駅新南口の自動販売機の下に置いたのだろう。

長嶋は、盗聴器から聞こえる周りの音をヒントに、この場所を突き止めたと言い、ペンを拾ったあと、「やまびこ」で開かれた小戸川の快気祝いの席でタエ子のもとにペンを返しにいく。

長嶋が、タエ子がこのボールペンの持ち主だと知っていた理由は、最初に剛力が、「タエ子ママからもらった」と語っていることからわかったと、オーディオドラマの最終話で告白している。

このオーディオドラマの最終話のラストでは、和田垣さくらと思しき女性が、みんなが帰ったあとの店を訪れ、タエ子が襲われる様子が音声から伝わってくる(長嶋はその音声を生配信していた)。

そして、アニメ版の最終話(時系列的には、このオーディオドラマの最終話で描かれる年末の快気祝いがあった日の「その後」)のラストシーンでは、最後に小戸川のタクシーに、タエ子が持っていたはずの幸せのボールペンを握りしめた和田垣さくらが乗り込み、にっこりと笑って終わる。

実際、その直前、さくらが歩きながら母に電話をかけているシーンで、三矢ユキを絞め殺す映像が流れ、「あとは、あのとき乗ったタクシー運転手が見つかればと思っていたけど、私、わかったかもしれん」という話をしているので、彼女は小戸川も狙っていたのだろう。

アニメ版のラストシーンのときには、タエ子だけでなく、すでに長嶋も殺されていたのかもしれない(一瞬流れるホモサピエンスの野外ライブ会場に長嶋の姿はない)。

もしかしたら、最後に小戸川も殺される可能性が……という不気味な含みを持たせながら、作品はエンディングを迎える。

だから、続編というより、『オッドタクシー』は、和田垣さくらをもう一人の裏主人公に据えた、サイコホラーサスペンスとして、しっかり完結しているのだ。

また、もう一点、この『オッドタクシー』の肝だった、小戸川が子供の頃に負った傷が原因で、「世界の人々が動物に見えていた」という景色が、結末間近に治ったことで人間の姿として見えるようになる。

動物に見える、というのは作品の根幹部分であり、今後再び動物として描くことはできない以上、続編というのは、相当難易度が高いと思う。

もし続編をつくるなら、人間ばかりのアニメということになる。

そう考えると、『オッドタクシー』は伏線も回収され、最後は綺麗に完結しているし、もともと原作漫画もなく、オリジナルアニメということなので、このシリーズできっちり「終わり」ではないかと思う。

もし万が一、『オッドタクシー』に続編シーズン2があるなら、全く別の形になるのではないだろうか。

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桜のきれいな町に住んでいるピエロです。