雑学

ホールデンの年齢と学校

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ホールデンの年齢と学校

小説『ライ麦畑でつかまえてキャッチャー・イン・ザ・ライ』の主人公ホールデン・コールフィールドの年齢はいくつのイメージが強いだろう。

僕は昔読んだときの印象から、てっきりホールデンは十七歳だと思い込んでいた。

確かに、「今」のホールデンの年齢は十七歳だが、作品のほとんどは十七歳のホールデンが語る、十六歳のクリスマス前の回想シーンなので、どちらかと言うと十六歳のホールデンの物語だと言える。

ホールデンが通っている学校は、ペンシー・プレップスクール。「プレップスクール」とはアメリカの場合有名大学に進学するための準備をする寄宿制の私立中学・高校を指す。

私立校の中には「プレップスクール」と呼ばれる名門ボーディングスクールがあります。難関大学(アメリカで言う「アイビーリーグ」など)への進学対策に力を注いでいるのはもちろん、寮生活を通じて徹底した全人教育を行っています。

出典 : 海外教育研究所

プレップスクールはエリート私立校で、しかも生徒の多くがエリートの家系であり、寮生活を通じて濃密な人間関係を育むことから、卒業後も人脈などに繋がっていくようだ。

つまり、あの一見すると馬鹿そうに見えるアックリーや自惚れ屋のストラドレイターもエリートの道を辿っているということなのだろう。

ホールデンは当時このペンシー高校の三年生ジュニアで、上に四年生シニアがいる。

ホールデン曰く、この学校は、ペンシルベニア州のエイジャーズタウンにあり、千近くの雑誌広告を出し、広告にはそれっぽい若者が馬に乗ってフェンスを飛び越える写真が使われる。

そして、写真の若者の下には「一八八八年以来、本校は少年たちを、明晰な思考をする優秀な若者へと育成して参りました」というコピーが添えられる。

ホールデンは、この学校についてばっさりと切り捨てる。

まったくもう、冗談にもほどがあるじゃないか。やれやれ、ペンシーが誰かを育成したりするもんかい。そういうのってもちろん、ペンシーのみならずほかの学校だって似たり寄ったりなんだけど、それにしてもあの学校じゃ、明晰な思考をする優秀なやつなんてただの一人も見かけなかったね。

出典 : J・D・サリンジャー(村上春樹訳)『キャッチャー・イン・ザ・ライ』

ちなみに妹のフィービーの年齢は十歳。フィービーは、くだらないインチキな世界に対する無垢の象徴として描かれる。

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