ゴッホの伝記映画『ゴッホ 天才の絵筆』
画家のゴッホに関する映画で、時間もわずか四十分ほどと気楽に観られる作品として、『ゴッホ 天才の絵筆』がある。
内容は、ゴッホが淡々と独白する、という演出手法で、二十七歳で油絵を描き始めてから死を迎えるまでの画家ゴッホの九年間を追いかけながら、ゴッホの絵や、彼の見ていた景色、画風の変遷などを学び、静かに浸ることができる短編ドキュメンタリーとなっている。
作品の情報
監督 | フランソワ・ベルトラン |
脚本 | |
メインキャスト | ジャック・ガンブラ、ピーター・ナップ、エレーヌ・スザーレ |
公開 | 二〇〇九年(フランス)、二〇一〇年(日本) 上映時間 : 三十九分 |
製作国 | フランス |
『ゴッホ 天才の絵筆』予告編
監督は、ドキュメンタリー系の制作会社で経営やディレクターを務めるフランソワ・ベルトラン、この映画は、オルセー美術館、アムステルダムのヴァンゴッホ美術館と共同制作となっている。
作品自体は、時間が短いことや、それほど抑揚がないことから、思った以上にあっさりと終わるので、ゴッホの熱狂的なファンからすると、「物足りない」と感じるかもしれない。
ただ、ゴッホ視点という斬新なナレーションに、ゴッホの絵画やフランスの風景、弟テオに宛てた手紙の一節などが随所に散りばめられ、浮世絵の影響や耳を切る事件のことも触れられるなど、さらっとゴッホの伝記(画家時代の人生)を知りたい場合には、おすすめの作品である。
フィンセント・ファン・ゴッホ『夜のカフェテラス』 一八八八年
フィンセント・ファン・ゴッホ『自画像』 一八八九年
僕自身は、ゴッホの絵は好きではあっても、熱烈なファンかと言うとそれほどでもないが、もし、このテイストで自分が大好きな作家や画家が題材となっているドキュメンタリーなら、作家人生を実際の作品や風景と一緒に追いかけられるというのは結構贅沢な演出と感じるかもしれない。
