『グロリアス軽トラ』のロケ地
愉快なメロディとともに、「地面には五匹の生き物がいる」という一節で始まる、andymoriの曲『グロリアス軽トラ』。
僕は『グロリアス軽トラ』が好きで、不思議な世界観の歌詞と愉快なメロディを聴いていると、気分が自然と上がる。
地面には五匹の生き物がいる
一匹は天使 一匹は人間 一匹は悪魔 一匹は豚 そしてカボチャのおばけ
andymori『グロリアス軽トラ』
この『グロリアス軽トラ』は、2010年に発売されたandymoriの二枚目のアルバム『ファンファーレと熱狂』に収録された曲で、MVも公開されている。
andymori『グロリアス軽トラ』MV
MVでは、andymoriのメンバーが、電飾のついた軽トラに乗りながら軽快に演奏して走る、という映像が印象的だ。
このMVのロケ地は、どうやら新宿のようだ。
また、同じ日に『ナツメグ』と『すごい速さ』の二曲のMVも一緒に撮影したと言う。
撮影されたのは「すごい速さ」「ナツメグ」「グロリアス軽トラ」の3曲。コマ撮りを駆使した「すごい速さ」、大食漢、藤原寛(B)がわんこそばに挑む「ナツメグ」、曲のタイトルそのままに某繁華街を軽トラで走る行く「グロリアス軽トラ」と三者三様、異なるアプローチでandymori流のユーモアを表したPVとなっている。
これらを1日で撮影したのだとすれば、昼間に「すごい速さ」のコマ撮りを決行、夕食がてらカメラを回しながら蕎麦を食し、食後は軽トラに乗って新宿の街並みをひとっ走り…といったスケジュールであろうか。
ネット上では合成という声もあるし、僕自身もてっきり合成だと思っていたが、実際に撮影はしたようだ。
発売当初の小山田壮平さんのインタビューでも、次のようなやりとりがあった。
ー 『グロリアス軽トラ』は正にタイトルそのままの映像だよね。撮影の時、結構目立ったでしょ?
小山田:「うん、そうだねー。街の人が結構振り返って見てた。だって軽トラに電飾ついてるしね(笑)」
これだけだと実際にメンバーも乗って撮影したのかはわからないが、いずれにせよ、シンプルながら曲にぴったりの素敵なMVだと思う。
タイトルのgloriousは「栄光の」や「名誉ある」の他に、「愉快な」や「素敵な」という意味もあり、まさに曲調やMVもひっくるめて『グロリアス軽トラ』がぴったりの曲名だ。
由来もシンプルで、馬鹿だけど頑張ろうぜ、ノーテンキに行こうぜ、というものだと言う。
この曲は、バカだけどがんばろうっていう歌(笑)。仕方がないから、軽トラックも“栄光の軽トラ”って呼ぼうって。ノーテンキでいいですよね(小山田壮平)。
最初に書いたように、冒頭の「地面には五匹の生き物がいる」という部分が好きで、暖かい引き込まれる表現だなと思う。
たぶん「地面」という言い方が大きいのだと思う。
これが「地上」(「地上には五匹の生き物がいる」)だったら、一気に神の視点というか、はるか上空から見た視点になるが、「地面」だと、自分も地面に寝そべって見守っているような感覚になるし、小さな天使や人間や悪魔や豚やかぼちゃのおばけが愉快に暮らしている、そんな映像が浮かぶ。
ちなみに、歌詞に出てくる「所沢の空の下」というのは、小山田壮平さんが大学時代の四年間、大学が所沢キャンパスだったこともあって所沢で暮らしていたからのようだ。
andymoriはサブスク(定額聴き放題)のAppleMusicで、ライブアルバムも含めて配信されている。
