SDGsが「胡散臭い」「怪しい」という声
企業や行政なども積極的に掲げ、テレビやネットでも、正直「ウザい」と思ってしまうほど目にするようになったSDGs。
特に、2020年辺りから急激に言われるようになったように思える。
SDGsの読み方は、エスディージーズ。これはSustainable Development Goalsの略で、日本語訳すると「持続可能な開発目標」を意味する。
SDGsとは、サスティナブルに発展していきましょう、という国連の掛け声である。
画像 : SDGsのロゴ
これはSDGsのロゴで、具体的な行動指針がカラフルなデザインとともに描かれている。
様々な色が輪になっているロゴは、すべての目標が一つになっているということ以外に、多様性も意味しているのかもしれない。
一つ一つの目標も、決して「おかしなこと」は言っていないように思える。
一方で、Twitter上では、SDGsが怪しい、胡散臭い、気持ち悪い、ウザい、嫌い、という批判的な声も多く目にする。
SDGsを胡散臭いと感じる理由としては、たとえば様々な企業がビジネス目的で掲げたり、莫大な利権に繋がっているのではないかと怪しんでいる面もある。
あるいは、意識高い系の偽善臭が鬱陶しいと思ったり、マスコミや学校のごり押しが気持ち悪いと思ったり、宗教団体や洗脳のように感じる、といったことなども挙げられる。
検索した際の関連キーワードにも、「SDGs 偽善」「SDGs 本当の目的」「SDGs 目的 裏」「SDGs 急に言い出した」といった文言があり、疑っている人も決して少なくはない。
急に言い出した、というのは、実感としてもそう思う。
試しに、どれくらい検索されたかの傾向がわかるグーグルトレンドで調べてみても、2020年以降徐々に増え、2021年になってからさらに伸びている。
画像 : グーグルトレンド「SDGs」(過去五年)
それほど「SDGs」という言葉を目にする機会も増えたということだろう。
一つ一つの課題について、それぞれが考えてみる、という程度にとどめるというならわかる。しかし、どうも押し付けがましく、この先、どんどんと社会的圧も高まっていくように想像される。
今後、管理社会化が推進され、これが「“人間”とはこうあるべきだ」という基準となれば、SDGsに貢献しているかどうかによって価値判断され、そうでない者はペナルティが与えられたり、排除されていくような社会も訪れるかもしれない(【独自】販売期限迫った食品購入・再生エネ利用…エコな行動にポイント発行|読売新聞)。
周囲のために、環境のために、なるべく移動しない、昆虫食しか食べない、という人間が、「素晴らしい人間」のモデルとされる可能性もある。
マイクロソフトのビル・ゲイツは、最近のインタビューで、すべての富裕国は100%合成牛肉産業へとシフトすべきだ、という考えをはっきりと示している。アマゾンのジェフ・ベゾスもまた、”家畜からの世界的な温室効果ガス排出量“を削減するためには、オルトミートを開発している企業に積極的に投資していく必要性があるということをインタビューにおいて語っていた。
出典 : ビル・ゲイツとジェフ・ベゾスが3Dプリント人工肉時代の到来を宣告「すべての富裕国は100%合成牛肉産業へとシフトすべきだ!」
協力しない人間は、自由がもっと極端に制限されたり、あるいは、強制される場合もあるかもしれない。その手法や目的が「善」であるかどうか、疑うことさえも許されずに。
SDGsは、「誰一人取り残さない」という誓いの言葉も掲げているが、別の視点から見ると、「誰一人逃さない(全員同じ考えに染める)」という全体主義的にも見える。
SDGsの内容自体を全否定するつもりはないが、どこか胡散臭さやきな臭さがあるだけでなく、正直、怖いと思う。
もしかしたら、これもまた、「ある一つの危機を煽り、これが“唯一の道”だと解決方法を提示する」というどこかで見覚えのある手法なのかもしれない。