思考メモ

ストック癖の心理

ストック癖の心理

あるとき、バラエティ番組の『しゃべくり007』で、ミュージシャンのaikoさんがゲスト出演した際、「ストック癖」があると語っていた。

ストックとは、「在庫品」以外に、「ためておくこと」「蓄えておくこと」も意味する。ストック癖と言うと、日用品を筆頭に、一つのもの、あるいは様々なものを予め買いだめしておく、ストックしておくことを指す。

aikoさんも、日用品を大量にストックしてしまう癖があると言い、自身のストック癖の心理や理由については、過去に別の番組で「不安」があると語っている。

不安なことがありすぎて、生活はストックがあって安心感をどこかで作らないといけないんです。明日声出なくなったらどうしようとか、道歩いてて『「カブトムシ」聴いてました』って過去形にされたりとかすると、過去の自分と今の自分が一緒じゃないので不安になっちゃうんです。

出典 : aiko、自称“ストック人間”になった理由を明かす 「安心感をどこかで作らないといけない」

生きているなかで数多くの不安があり、その不安を和らげる安全地帯として、生活に「安心」がほしくなり、ストックという行為になる。aikoさんは特に、音楽活動において、不安感が強いと言う。

周りから見ると、ちょっと異常に見えるような行為、たとえば極度の潔癖症や依存症、反復行為なども、根底には不安があり、その不安を解消するために、色々な方法で埋めようとする。

ストック癖も、その一つなのだろう。

色々な形で、不安感が溢れ、色々な形で安心感を探している。

緊急時のトイレットペーパーの買いだめなどは、不安や恐怖の原因が直接的で分かりやすいが、普段からストックしておかないと落ち着かない、というのも、何かの不安の投影なのだろう。

僕自身は、これまでストック癖というのはなく、むしろ逆に、日用品はストックしない、ぎりぎりを楽しむ、という癖があった。

定期的に日用品が切れそうになる、ということが、生きるエンジンの一つになっていた。まもなく終わりが訪れる、ということの刺激を欲していたように思う。

一方、最近、初めて白熱電球を多めに買ってみた。

普段は、一つ買って、切れたら買う、ということを繰り返していたが、一度に六つほど購入し、ストックしてみた。

確かに、ものすごい安心感があった。

しばらくは「いつ切れるか」と不安に見舞われることがないんだな、という安心の気持ちがある。余計な不安が一つ減り、安心になる、というのは、どれほど気が休まるのだろう、と改めて実感した。

思うに、人間は不安や緊張含めて、ストレスが強い状態のとき、貯蓄派と博打派に分かれるのではないだろうか(あるいは、個人のなかで交互にどちらかに振れる)。

とにかくストックしておくことで安心しようとする場合と、「今、生きている」というぎりぎりの切羽詰まった状況の刺激を求める場合とある。

この両者の違いは、「いつか使うかもしれない」「もう手に入らないかもしれない」といった理由でなかなか捨てられない人と、頻繁に断捨離して、その都度いっぺんに捨ててしまう、という人の性格の違いとも似ているのかもしれない。

僕はもともと博打派の傾向が強かったが、今回、ストックの安心感を覚えてしまったので、今後は、ストック癖にはまってしまうような気もする。

いずれにせよ、極端に振れるようになったら、それは日々の抱え込んでいる不安に、いっぱいいっぱいになっていることの現れではあるのだと思う。

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