内閣府ムーンショット計画の怖い話
よく都市伝説などで取り上げられる題材の一つに、内閣府の「ムーンショット計画(目標)」がある。
都市伝説と言っても、別にこれは隠し事でもなんでもなく、ムーンショットは内閣府が普通にホームページで公開している計画だ。
ムーンショット目標には、複数あり、たとえば、その一つに、「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」という項目がある。
内閣府のホームページには、ムーンショットに関し、たとえば次のような説明が記載されている。
2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。
2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。
さて、文章を読んだだけでは、ムーンショット計画が一体何を意味しているのか、狙いが何か、よくわからない。
不気味な、少し怖いイラストも添えられているが、はっきりとしたことは見えない。
ただ、身体や脳、空間や時間からの解放、ということが謳われていることから、人間が、バーチャル空間で様々な人生を送るように誘導したいのだろうことは伺える。
内閣府「ムーンショット目標1」
ただでさえ、不気味で怖い雰囲気のムーンショット計画、なぜ都市伝説と絡められるかと言うと、現在進行中の“騒動”を利用しているように見える点が、疑惑として挙げられる。
やたらとテレワークやキャッシュレス、ステイホームが叫ばれ、ほとんどこじつけに近い理由で「対策」が求められる(参照 : 政府主導のキャッシュレス社会は「デジタルファシズム」の前触れだ)。
動画 : 西村大臣 「できるだけキャッシュレス決済を」 TBS
しかし、実際にその対策にどれほど効果があるのか、というのは科学者からも疑問が持たれているし、弊害も大きいにもかかわらず、検証はろくにされず、半ば強引にデジタル化に誘導しようとしているようにも見える。
例のモノを打つというだけでなく、打たないと移動やサービスに制限がかかる、という“パスポート”(この“パスポート”も、2020年段階では、欧米でさえ「都市伝説」の類だったにもかかわらず、今では平然と推進されている)にも、どこか誘導されているように感じる。
こういう類の隠れた「誘導」は、特段珍しいことではない。
戦争を筆頭に、プロパガンダやPR戦略で、ある一つの方向に大衆を誘導することは、案外ありふれたことでもあり、そのために、過去多くの手法が取られてきた(たとえば、湾岸戦争時に行われた、大々的な「嘘」として知られる「ナイラ証言」がある)。
また、戦争や天災など、人々が恐怖や不安に怯え、ショックに陥っている状況で変革しようとする「ショックドクトリン」という言葉もある。
まさに、この騒動も、プロパガンダやショックドクトリンが溢れ、「何かに利用されている」ように見える。
メディアの闇が作り出す洗脳社会とは?!
世界的には、同じタイミングで、「グレートリセット」や「ビルド・バック・ベター(より良い復興)」といった言葉が、スローガンとして前面に掲げられるようになった。
このスローガンは、いったん世界をリセットしてから、もう一度立て直そうじゃないか、というもので、グレートリセットも、別にフェイクでも都市伝説でもない。
The Great Reset
グレートリセットについては、世界のエリートが集まる世界経済フォーラムが、わざわざ壮大なプロモーションビデオまで作っている(この「世界経済フォーラム」や「ダボス会議」、その団体の会長である「クラウス・シュワブ氏」に対しては、世界的に批判も集まっている)。
映像では、途中、リセットボタンが押され、時間が巻き戻されていくような不気味な演出が施されている。動画の「低く評価」の数が相当多いことからも、この計画に世界中で警戒感を持たれていることが分かる。
*YouTubeが、低評価を非公開に仕様変更した。これもこうした動画が露骨に低評価が多くなることを隠すためではないかという指摘もある。YouTubeはGoogleのサービスであり、Googleは、特定の内容に対する検閲に近い行為が問題となっている(参照 : GoogleとYouTube、「気候変動」を否定するコンテンツは広告掲載不可に)。
また、2022年のダボスアジェンダの講演で、岸田首相も、「我々は、グレートリセットの先の世界を描いていかなければなりません」と語っている。
ダボス会議 岸田首相特別講演「今、我々は、グレートリセットの先の世界を描いて行かなければなりません」 pic.twitter.com/5ps1q8mn9o
— kw🛸5h!ne👽 (@kw5hine) January 8, 2023
内閣府のムーンショット計画も、こうした世界的な流れの一環として捉えることができるかもしれない。
人間を閉じ込める、そして、バーチャル空間、オンライン空間で会うことを推進する。移動はなるべく制限する。デジタル管理社会、監視社会を構築する。
デジタル管理社会
その表面上の大義名分の一つとして、グレートリセットのプロモーションビデオを見ても分かる通り、「環境保護」が挙げられるだろう。環境保護自体は、言葉として見れば正しいように思えるが、その方法や目標の立て方が正しいかどうかは、しっかりと中身を吟味しないと、恐ろしい全体主義社会にも繋がり得る。
振り返ってみれば、この騒動が始まって以降、環境保護に向かったような政治的な動きも目立ってはいないだろうか。「SDGs」という言葉も、目にする機会が増えた(SDGsが、どこか胡散臭いと感じる人も少なくないのではないだろうか)。

また、管理社会に適した「スーパーシティ」の話も同時並行的に進んでいる。NHKは、ハロウィンの際、バーチャルハロウィンをプッシュしている(参照 : 「バーチャル渋谷」でハロウィーンを 今夜からスタート 東京)。
NHKは、ムーンショット計画に関する記事も、まだ騒動が本格化する前の2020年1月16日に挙げている(科学技術「ムーンショット型研究開発」目標の6項目まとまる)。
これらは、本当に「偶然」なのだろうか。
冒頭で引用したムーンショット計画の一文を、もう一度読み直してみると、その文章に、なぜか「新しい生活様式」という言葉も含まれている。
本来、この“騒動”が始まり、その「対策」として厚労省が掲げたはずの「新しい生活様式」という言葉が、「2020年初頭」の段階で、すでに出ている。
ご覧のように、厚労省は、この「新しい生活様式」という言葉を、「2020年の半ば」頃に掲げている。しかし、文科省は、騒動が本格化する前、「2020年1月(ないしは2月)」の段階で、「新しい生活様式」という文言を出しているのである。

本当に、これらは「偶然」なのだろうか。
計画や意図が含まれていないだろうか。もちろん、単なる偶然であり、都市伝説の類の一環に過ぎないかもしれない。ただ、「こういうことはする」という可能性も捨てないほうがいい。
この「ムーンショット」という言葉は、1961年、アメリカの「アポロ計画」の際に行われたケネディ大統領のスピーチに由来する。
ケネディ大統領は、「我が国は目標の達成に全力を傾ける。1960年代が終わる前に、月面に人類を着陸させ、無事に地球に帰還させるという目標である」と語った。
このスピーチのなかで登場した、「月に向けたロケットの打ち上げ(ムーンショット)」という言葉から、壮大な目標を掲げ、イノベーションを加速させていくことを「ムーンショット」と表現するようになる。
一見すると、希望に満ちた言葉に思えるかもしれない。しかし、他のムーンショット目標を見ても、怖い点は見られる。
たとえば、「超早期」の疾患の予測や予防、というのも、不穏な世界を予感させる。管理社会やAIによって、行動などを逐一把握し、ほんのわずかでも異変を見つけたら、「あなたは病です」と判断し、治療や隔離を強要してくるような世界も見える。
そうなれば、うっかり風邪も引けない社会の到来だろうか。
あるいは、別の角度から、もう少し分かりやすく言えば、精神疾患の「超早期」の予測や予防が進んだ社会を想像してみてほしい。恐らく、まっとうなふりをした、「正解」を必死に演じる人間だらけになるだろう。
張り巡らされた監視網によって、日頃の行動や検索履歴、購入履歴、SNSで発信する言葉などを監視し、「人間」としての「異常」を「超早期」に見出され、社会に迷惑をかけないように「治療」されるとしたら、だいぶ怖い世界になっていくのではないだろうか。
この辺りに関連したヒントになりそうなことは、ジャーナリストの堤未果さん著の『デジタル・ファシズム』のなかで、今、現実社会で行われている中国やアメリカの例も交えながら触れられている。
また、ムーンショット計画では、他に、「未利用の生物機能等のフル活用」によって「持続的な食料供給産業」を創出する、という目標もあるが、これも随分と不気味で怖い文言である。
未利用の生物機能等のフル活用。
一体、「フル活用」とはどういうことなのだろうか。環境保護、自然に優しい、というより、遺伝子操作など、もっと科学的に踏み込んだ(たとえばクローン生物食のような)領域の話のようにも思える。
果たして、彼らの描いている未来の世界とは、ユートピアだろうか、それともディストピアなのだろうか。
全ての目標は「人々の幸福」の実現を目指し、掲げられています。(内閣府)
陰謀論、と一括りするのではなく、「実際に進んでいることは実際に進んでいること」として、いずれにせよ、少し立ち止まってよく観察し、考えてみたほうがいいのではないかと思う。
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