多重夢の原因とストレス
ときどき、夢のなかで夢を見ることがある。ぼやっとした、多少現実感のある夢で、悪夢のような不穏な空気が流れている。
夢だ、と思って目が覚めると、実はまだ夢の世界、というちょっと怖い話でもある。
この夢のなかで夢を見る現象は、多重夢という名前があり、夢の層の数によって二重夢、三重夢と呼ばれることもある。
多重夢を見るとき、個人的には二重夢が多いが、過去に二度ほど、夢のなかで目が覚めると夢で、その夢のなかで動き出すと、実はそれも夢だった、という三重夢もある。
多重夢のあとに、目覚めがすっきりして、よく眠れた、ということはなく、頭は疲れているし、体も全く休んでいないことがよく分かる。金縛りに遭ったこともある。金縛りは普通に怖く、大抵生々しい悪夢がついてくる。
多重夢の原因として思い当たるのは、疲労やストレス、あとは食べ物がちょっと悪かったときや、薬の副作用のときもある。枕を変えたばかりのときに、多重夢に襲われた経験もある。
対処法としては、しっかり休み、日々の生活を整え、ストレスの原因になっているものをなるべく断捨離する、といったことが挙げられる。
具体的には、スマホやパソコンと距離を置く日をつくる、いわゆるデジタル断食だ。多重夢を見た、悪夢が多い、眠りが浅い、という場合は、これだけでもずいぶん変わる。
難しいようなら、夜眠る一時間前は画面を見ない、という習慣にするだけでも違う。
あるいは、可能であれば、「夜は食べない」こと。これももし難しければ、「20時以降は食べない」「温野菜など軽いものにする」という方法でもよい。
頭を使ったり、神経が興奮したまま眠ると、どうしても眠りが浅く、悪夢も増える傾向にある。
多重夢や、現実的な夢が続くときは、神経が疲弊していたり、緊張状態にあることが考えられるので、活動を睡眠時まで引きずったままにすることなく、ちゃんと休ませるようにすることが大事だと思う。
多重夢は、決して気持ちのいいものではなく、夢から覚めたあとでさえ、おぼろげな意識のなかで、今自分はどこにいるんだろう、という不気味な感覚に陥る。
映画『インセプション』を思い出す(『インセプション』自体は面白い映画である)。
動画 : クリストファー・ノーラン『インセプション』
ちなみに、この多重夢というのは、夢占いでは、一体どんな解釈になるのだろうか。
夢の中で「夢から覚めた」と思っても、実はまだ夢の中だった……という場合、あなたが現実で受け入れたくない何かがあることを暗示します。積もった怒りがあるときに見やすい夢です。この夢を見たときの鍵となるのが「心の余裕」。
嫌なことから逃れるだけではなく、受け入れることもときには必要であると示唆しています。
受け入れがたい「何か」があり、怒りが積もっているとき、また「心の余裕」が失われているとき、多重夢を見る。
他の夢占いのサイトを見ても、多重夢は概ね心の疲労を示している、ということが書かれている。感覚的にも、それは間違いないように思う。
ただでさえ、色のある現実的な夢を見るときはストレス過多の状況が多いのに、夢から覚めても夢、といった複雑な夢は、よほど追い詰められ、気が張ったままであったり、神経が疲れている状態なのだろう。