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映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のあらすじと名言

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映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のあらすじと名言

*文中に内容のネタバレを含む。

『Vフォー・ヴェンデッタ』とは

vforvendetta画像 : 『Vフォー・ヴェンデッタ』

映画『Vフォー・ヴェンデッタ』は、二〇〇六年に公開された、アメリカ、ドイツ、イギリスの合作映画であり、監督は、『マトリックス』で助監督を務めたジェームズ・マクティーグ。この映画が、マクティーグの監督デビュー作となる。

主演のイヴィー役は、女優のナタリー・ポートマン、もう一人の主人公と言える仮面姿のダークヒーローVを演じている俳優は、(ほとんど顔は出ないものの)ヒューゴ・ウィーヴィング。

Vフォーヴェンデッタ画像 :『Vフォー・ヴェンデッタ』

この『Vフォー・ヴェンデッタ』というタイトルは、英語では『V for Vendetta』であり、「Vは、復讐VendettaのV」という意味合いとある。

だとすれば、Vという名前も、この「復讐」に由来するように思えるが、一方で、作中、収容所に入れられていたVは、「V」と扉に刻まれた第五監房に入っていたことが分かるシーンも描かれていることから、五を表すVに由来するとも考えられる。

また、過去に同性愛が理由で逮捕され、処刑されたとするヴァレリーという女優の存在が描かれるが、このValerieのV、あるいは、復讐の決行日である十一月五日の五も関連しているかもしれない。

その他、様々なVが劇中に登場し、映画のラストでは、花火で「V」という字も描かれている。

タイトルを決めた経緯としては、Dez Skinnという編集者が最初に「Vendetta」という名称を考えたという。

英語版Wikipediaの原作に関する記事によると、編集者のDez Skinnという人がまず “Vendetta” という言葉を思いついたのだそうです。でも「イタリア語っぽ過ぎる」ということですぐさま却下されたんだとか!その後、”Vendetta” ではなくて “V” に強勢を置いて “V for Vendetta” というフレーズが浮上したのだそうですよ。

出典 : タイトル V for Vendetta

以下は、その『Vフォー・ヴェンデッタ』のあらすじになる。

あらすじ

映画の舞台は、当時の近未来である、二〇二〇年のイギリス。

第三次世界大戦を経て、アメリカは植民地になり、イギリスは独裁者アダム・サトラーのもと全体主義国家となっている。

BTN(英国放送)に務めている主人公のイヴィーは、夜間の外出禁止令を破って出掛けようとするものの、途中で秘密警察に見つかり、暴行されそうになる。

しかし、ガイ・フォークスの仮面をかぶったVが現れ、イヴィーはVに助けられる。

ガイ・フォークス

ガイ・フォークス(1570年4月13日 - 1606年1月31日)、別名グイド・フォークスは、1605年に発覚した火薬陰謀事件の実行責任者として知られる人物である。 – Wikipedia

その後、Vはイヴィーを“演奏会”に誘う。Vの言う“演奏会”とは、裁判所の爆破テロのことで、クラシック曲に合わせ、裁判所が爆破される。

翌日、Vは電波ジャックを行い、一年後の十一月五日に国会議事堂の前に集まるように呼びかける。

Vは局から逃走し、重要参考人として手配され、追われることになるイヴィーも、Vの隠れ家で匿われる。

サトラーの幹部たちを次々に殺していくV。イヴィーは、最初Vに好感を持っていたものの、異常さを感じるようになり、Vのもとを脱走。上司であるゴードンのもとに逃げ込む。

イヴィーは、ゴードンもまた、現体制に抑圧される存在だということを打ち明けられる。

ゴードンは、Vの行動に触発され、サトラーを風刺した番組を制作。徐々に疑問を抱いていた国民も喜んで受け入れるが、激怒したサトラーに粛清されることとなる。

間一髪で逃れたように見えたイヴィーも捕まり、髪を剃られて坊主にされ、拷問にかけられる。

一方、Vを追いかける警察官のフィンチも、Vに関する情報を探っていくうちに、現政府の根幹を揺るがすことになる「秘密」を知る。

Vは、強制収容所の唯一の生き残りであり、サトラーと側近たちは、収容所の幹部だった。

施設では、Vは人体実験の被験者として扱われ、サトラーは、この実験によって作られたウイルスをばらまき、民衆の恐怖心や不安感を利用し、独裁的な権力と支持を集めた。また、時間差で党幹部支配下の製薬会社がワクチンを提供し、大儲けしたのである。

さて、牢屋のなかで弱っていたイヴィーは、過去に同性愛が理由で逮捕され、処刑された女優が、紙片に残した日記を見つけ、その言葉に勇気付けられることで拷問に耐える。

そして、我々に協力しなければ処刑する、という宣告を受けるも、イヴィーは拒否し、この拒否によって、なぜか牢屋から解放される。

解放されると、イヴィーを閉じ込めていたのはVだったことが発覚する。Vは、イヴィーの精神を解放するために、自分がかつて経験したことと同じ体験をさせたのだった。

激怒したイヴィーは、ずっと抱えていた感情を吐露するように咽び泣く。

その吐露のおかげか、恐怖はなくなり、Vに対し、一定の理解と感謝は示すも、イヴィーはVのもとを去る。

Vは、十一月四日、ガイフォークスの仮面と衣装を国民に配達する。サトラーは、仮面をつけている人間を逮捕・射殺するよう指令を出すが、Vの仮装をしていた少女が秘密警察に射殺されたことをきっかけに、国民のあいだで暴動が起こる。

Vの隠れ家を訪れたイヴィーに全てを託し、十一月五日にサトラーやその幹部と対面。幹部とあらかじめ取引し、サトラーを捕まえて目の前に差し出させ、処刑させたあと、Vは幹部らと闘い、彼らも殺す。

一方で、致命傷を負ったVは、地下鉄の廃駅でイヴィーと少しだけ話す。その後、Vの死を見守ったイヴィーは、爆薬が積まれた列車に彼の遺体を乗せ、発車させ、列車は国会議事堂の地下で爆発する。

ラストシーンでは、クラシック曲が鳴り響きながら、次々と建物が爆発し、仮面をかぶった国民たちが、次々と仮面を取り、その爆発とともに打ち上がる花火を眺めるシーンでエンディングを迎える。

作品情報

監督 ジェームズ・マクティーグ
脚本 ラナ・ウォシャウスキー、リリー・ウォシャウスキー
メインキャスト イヴィー(ナタリー・ポートマン)、V(ヒューゴ・ウィーヴィング)、エリック・フィンチ警視(スティーヴン・レイ)
公開 二〇〇六年
製作国 アメリカ、イギリス、ドイツ

『Vフォー・ヴェンデッタ』予告編

冒頭とラストシーンで流れる音楽

映画『Vフォー・ヴェンデッタ』では、冒頭とラストシーンの施設の爆破シーンでクラシック音楽が流れる。

そのとき使用されるクラシックの曲名は、チャイコフスキー作曲の『1812年(序曲)』である。

動画 : チャイコフスキー『1812年(序曲)』

冒頭、全体主義国家の政府による夜間外出規制を破り、外に出ていた際に秘密警察に襲われそうになったイヴィーは、危うい場面で助けてもらったVに“演奏会”に誘われ、連れ立っていく。

その先で、Vが仕組んだ裁判所の爆破テロを目の当たりにすることになる。

爆破シーンでは、Vがタクトを振り、次々に建物の爆発が起こり、かつ花火が打ち上がる光景に合わせ、チャイコフスキーの『1812年(序曲)』が流れる。

また、ラストシーンでは、独裁者の一味を殺したあと、自分も致命傷を負って死亡するVの遺体と爆薬を乗せた地下列車が、国会議事堂の下で爆発し、建物が爆発を繰り返し、綺麗な花火が打ち上がる。

議事堂前に集まり、仮面をかぶった民衆たちは、その爆破シーンをじっと眺めながら、皆が仮面をとる。

このとき、冒頭と同じようにチャイコフスキーの『1812年(序曲)』が流れる。

曲名で使用されている「1812年」という年は、ナポレオンがフランス軍を率いてロシアに遠征した年で、ナポレオン軍はロシア軍に敗北する。

この曲は、ロシア人であるチャイコフスキーが、祖国の大勝利を題材に制作されたものである。

Vの名言

映画『Vフォー・ヴェンデッタ』では、全体主義国家となったイギリス政府に復讐ヴェンデッタするダークヒーローのVが、重要な登場人物として描かれる。

劇中、このVが語る様々な名台詞が散りばめられている。

以下は、『Vフォー・ヴェンデッタ』のVの台詞から、名言を選んで紹介したいと思う。

  

殊勝しゅしょうな振る舞いで己の悪魔を覆い隠すは人の常。

  *

警棒で言葉を抑圧することも可能だ。だが言葉には力がある。“意義”もある。真実を明らかにすることもできる。

真実とはこの国に大きな間違いがあることだ。

暴虐、不正、弾圧、それがこの国だ。

  *

誰がこうしたのか、程度の差こそあれ、責任は多くの者にある。

真の責任者を知りたければ、鏡を見るだけでいい。

気持ちは分かる。

恐れたからだ。テロ、疫病、恐れて当然だ。

多くの出来事が、判断力と良識を奪い去ったのだ。

恐怖とパニックの中で、議長サトラーに希望を託した。

彼は秩序と平和を約束し、代わりに沈黙と同意を求めた。

  *

結局、この計画の最大の武器は「恐怖」だった。

恐怖が利用され、国家に新しい役職ができ、終身議長としてサトラーが就任した。

  *

仮面の下にあるのは、理念だからだ。理念は決して死なない。

  *

人民が政府を恐れるのではない、政府が人民を恐れるのだ。

この『Vフォー・ヴェンデッタ』は、作品全体に陰鬱な雰囲気が漂っているものの、思索的な名言も多く、最後には爽快なカタルシスも待っている。

ただ、一見すると分かりづらい構成にもなっているので、あらすじなどを参考にしながら観てもよいかもしれない。

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